この記事では、ランナー膝の症状に苦しむ全てのランナーに向けて、1日でも早く痛みなくランニングを再開するための情報をお伝えしてまいります。最近痛みが出てきた方も、数ヶ月前から痛みがありなかなか良くならない方も、解決に向けて出来るだけわかりやすく解説しておりますので、是非最後まで読んでみてください。
整形外科や整骨院、整体に行っても「痛み止め、安静、アイシング、鍼治療、超音波治療 etc.」と色んなことをしてきたけどなかなか改善されない方がここのページに行き着いたことでしょう。
全て読み終わった時、今自分は何をすれば痛みなく走れるようになるのか、が分かるようになり痛みで思うように走れない不安と練習が出来ない焦りの手助けになることをお約束いたします。
では早速見ていきましょう!
【 ランナー膝 】ってそもそもなに?
ランナー膝とは、一般的にランニングにおける膝関節の外側に発生する痛みのことを指します。また、ランナー膝は腸脛靭帯炎とも呼ばれることもあり、広い意味ではどちらも同じ症状で使われます。
私自身もこのランナー膝という症状を経験しており、非常に辛い思いをした記憶があります。そしてこのランナー膝(腸脛靭帯炎)を発症する方の特徴としては、ランニング初心者がなるものというよりは、ランニングが習慣化されて走ることが楽しくなってきたタイミングや、レースに向けて練習距離を伸ばしたタイミングで発症する方が多いように感じます。
私が今まで治療をしてきた数多くのランナー膝になってしまった患者様も、初マラソンに挑戦する2週間前に突然発症し、レース直前にこの世の終わりみたいな顔をして治療院に駆け込んでくる方が多くいらっしゃいました。
ランナー膝という症状は、多くの要因が絡み合って発症するものですので、なぜ痛みが出ているのかをしっかりと理解し、そのうえで症状と向き合い、克服することが大切です。
腸脛靭帯とは?関係する筋肉はこれだ!
ここで腸脛靭帯について簡単に説明します。
腸脛靭帯はどこからどこまで付いてるの?役割は?
腸脛靭帯は大腿筋膜張筋、大殿筋(文献によっては中臀筋も)から起始し、浅層は膝蓋骨外側、中・深層は大腿骨外側上顆上を通って脛骨のガーディー結節に停止(付着)します。
靭帯という名前を聞くと一般的に足関節の捻挫で痛めるような靭帯をイメージしがちですが、腸脛靭帯は靭帯を意味する「Ligament」よりは分厚い帯状の筋膜のような「Band」のようなイメージとなります。
実際に筋肉がどのようについているのか見てみよう!
よりイメージしやすいように画像を作りました。

↑図1

↑図2
図1では、起始部である「大殿筋(だいでんきん)」と「大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)」がそのまま腸脛靭帯へと繋がり、図2では停止部(付着部)である脛骨(けいこつ)の「ガーディー結節」という場所に腸脛靭帯が付着していることが分かります。
さらによく見ると腸脛靭帯に繋がっている「外側膝蓋支帯」が膝蓋骨の外側と癒着してから同じくガーディー結節に付着しているのが分かります。
おそらく痛みが出るのは付着部直前の出っ張りの「大腿骨外側上顆」と付着部の「ガーディー結節」「膝蓋骨外側縁」のあたりかと思います。そして人によっては「ガーディー結節の少しうえの横や裏側あたり」に痛みが出る人もいます。
痛みの種類としては症状の度合いにもよりますが、足をつくたびに毎回【金槌でガンッ!】と叩かれているような痛みという表現が近いかと思います。
これが腸脛靭帯の構造となります。
痛みが出る原因は?
では次にランナー膝の症状が出る人の特徴としては次のようなものがあげられます。
- 無理なフォームによるオーバーワーク
- O脚(内反膝)
- 大殿筋、大腿筋膜張筋のタイトネス(柔軟性低下)
- 足関節の可動域制限(回内制限)
何をしたら改善されるの?
腸脛靭帯炎って腸脛靭帯の炎症ってことだよね?炎症が起きてるならアイシングすれば良くなるんじゃないの?この考えはとても重要であながち間違ってはいません!捻挫したら冷やしますよね?突き指をしたら冷やしますよね?
そうなんです!筋肉も腱も靱帯も損傷したとき、痛みが出たときはとりあえず冷やせばいいんです!でもこの腸脛靭帯炎って言うのは冷やすだけではその場しのぎに過ぎずなかなか改善されないのです。
良くなるためにやることは正直たくさんあります。ただその全てのことをやれるストイックな人間はほんの一握りです。何年も治療院で仕事をしているので分かりますが、多くの方はそんなにケアに時間を裂けません。実際のところケアにまで時間をかけて真面目に取り組むランナーさんはそんなに多くないです…
なので優先順位の高い順に改善策をお伝えします。何も考えずに今日から毎日、上から順番にやれるだけやってください。
ランナー膝を改善するためにすること
練習強度を落とす。痛みの出ないペースのみにする。
軽度の場合は痛みがあっても走れる場合もありますが、基本的には安静が大切です。走ることが可能であっても勇気を持って練習強度を1〜2週間落としてみましょう。
と言いつつも、ちょっとだけ厳しいことを言いますが、痛くて全く走れない場合を除いては練習を0にするのは避けてください。理由としては、このランナー膝に限ってはランニングフォームが大きく痛みに影響するため、走ってて痛みが出るということは間違ったフォームで走っている可能性が高いです。そのことを頭に置きながら最後に出てくるフォーム改善方法を見て、自分なりに色々とランニングフォームを試してみて痛みの出づらいフォームを探ってみてください。ここがランナー膝を克服する最大の近道となります。
フォームローラーを使って筋肉を緩める。
次はマッサージです。フォームローラーやストレッチポールを使用して大殿筋、大腿筋膜張筋、外側膝蓋支帯をそれぞれ5分間緩めましょう。筋肉の場所は先ほどの「図2」で確認してください。
やり方としては、フォームローラーまたはストレッチポールを床に置き、痛みのある側を下にして横向きで筋肉または靱帯に押し当てます。最初は体重をかけるだけでも激痛が走りますが、手や足を床につきフォームローラーにかける体重を調整してみてください。ある程度体重をかけられるようになったらフォームローラーをゴロゴロと動かし筋肉のラインに沿って往復させながら緩めます。やり始めは筋肉が張っていてたり、固まっていたりするので痛みがそれなりに強いですが、毎日行うと痛みが軽くなっていきます。そこまで出来れば完治はもう少しです!少しずつでも良いので毎日しっかり行ってください。
フォーム改善を行う。
1つ目でも少し触れましたが、最後はフォーム改善となります。もしあなたが金輪際「ランナー膝」と、お付き合いをしたくないのであればフォーム改善は必須です。これ以外の方法は、ハッキリ言ってありません。
1つ目と2つ目は痛みを改善するための手段です。痛みがあって自分のレースペースではとてもじゃないけど走れないので最優先に必要です。
では、もし仮に今の膝の痛みがなくなったら、もう二度とランナー膝にならないと思いますか?
絶対にそんなことはありません。必ずまたランナー膝になります。理由はランナー膝になるフォームで走っているからです。何度も言います、だからフォーム改善が重要なんです。
「そんな簡単にフォーム改善なんて出来ないよ…」気持ちはめちゃくちゃ分かります。
でもやるしかないのです。
フォーム改善ってどうやるの?
僕はたくさんのランナー膝に関する文献や参考書、ランニングに関する本を読み漁ってきましたが、本当に色々なことが書かれており何をやったらいいのか正解が分からない時がありました。
そんな僕自身の経験とランナー膝患者への指導で改善された実績のある方法をお伝えいたします。
それは、「走る時はお腹を膨らませて前に出せ!」
これだけです。これで「ランナー膝」は解決します。
「お腹を膨らませて前に出せ」の理由
お腹を膨らませるやり方から先に説明します。皆さんがご飯を食べ過ぎて一時的にお腹が大きくなったとします、その時に家族や友達に「食べ過ぎてこんなにお腹が出ちゃったよ〜」と見せる時にグッとお腹を出しますよね?そのお腹の出し方です。決して腰を反ってお腹を前に出すのではなくお腹に力をいれるように前に出します。これだけです。
お腹を膨らませる最大の利点は骨盤の前傾が簡単に作れるということにあります。ここで骨盤の前傾を作ると何が良いのかを先にお伝えします。簡単に説明すると骨盤の前傾により足が必要以上に体の前に振り出されることがなくなります。それと同時に体の後ろ側に降り出すストライドが長くなるため走る動作においてはプラスになります。
足を前に付くときに身体の重心(分かりやすくヘソの真下だと思ってください)から、前に離れれば離れるほどせっかくの走っているスピードを殺す余計なブレーキを踏んでいることになります。ブレーキを踏む筋肉は太ももの前の筋肉、そして今回の太ももの外側の腸脛靭帯ということになります。
つまりランニングで意識していただきたいのは、いかにブレーキを踏まずにお尻とハムストリングス(太ももの裏の筋肉)で走ることが出来るかか長く痛みなく走る最大のポイントとなります。
この走りが出来るようになると、少し寂しいですが今までお付き合いしてたランナー膝と一生のお別れをしなければなりません。そして希望に満ち溢れた痛みのない新たなランニング人生がスタートすることでしょう。
最後に
まずは最後までこの記事をお読みくださりありがとうございます。
実践、そして継続。
安心してください。ランナー膝は必ず治ります。
そのためにこの記事を書きました。
一人でも多くのランナーがこの症状を克服し、ランニングを楽しいと思えることを願っております。
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